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ハンドベルの奏法
ここでは、ハンドベルの奏法を紹介します。(奏法名をクリックすると、その奏法の画像を見ることが出来ます)
リング(Ring)
ごくごく一般的なハンドベルの奏法です。クラッパーをキャスティングにぶつけることにより音を鳴らします。円を回すようにして鳴らすと、音的にも、見た目にも、きれいになります。
最も基本的な奏法ですが、打つときのクラッパーのぶつけ方や、打った後の音の伸ばし方によって、明るい音になったり、暗い音になったり、弾んだ音になったり、重い音になったり…と音色が多彩に変化するので、最も奥深い奏法でもあります。
リングの音色は、決してひとつではないのです。
楽譜に「Ring」と表記されている場合の他、何も演奏法について記載がない場合も、通常はリングで演奏します。「R」と表記されることもあります。
シェイク(Shake)
文字通り、ベルを振って振って振って…連続して鳴らす奏法です。ベルを振ることにより、クラッパーが前後に跳ね返ってキャスティングに当たり、音を短い間隔で何度も鳴らすことが出来ます。ハンドベルは一度出した音を持続させることが出来ないので、音を持続して鳴らしたいときはこのシェイクを使います。
音符に「〜」が付いている場合、その「〜」の長さ分だけ、シェイクを持続させます(結構辛いんです、これが…)
プラック(Pluck)
弦楽器のピチカート奏法(弦楽器で弦を指ではじく奏法)、ピアノのスタッカート奏法をハンドベルで表現するときに登場するのが、このプラックです。ベルをマットの上に置いたまま、クラッパーを指ではじいて音を出します。ミドルベルだと「ポン」、ローベルだと「ボン」という音がします。
音符の上に「・」がついて表現されるのは、ピチカートと同じです。また、楽譜に「Pluck」または「P.l.」と表記されている場合も、この奏法で演奏します。
サムダンプ(Thumb Dump)
音の高いハイベルになるとそれに比例してベルが小さくなっていくので、プラックをしようにも容易ではありません。そこでハイベルでは、ベルに親指を添えてリングと同じように鳴らすことによって、ピチカート奏法を表現する事があります。これがサムダンプです。
楽譜上は、音符の上に「・」が付くのと共に「Thumb Dump」または「T.D.」と表記されます。
マルテラート(Martellato)
弦楽器におけるマルテラート奏法(弓先で明瞭に音を切って弾く奏法)を表現するときに使う奏法です。マルテラートとはイタリア語で「ハンマーで打つ」という意味で、ニュアンス的にはぶっ叩く程の強い意味です。
その意味の通り、マットに対してベルを「ぶっ叩いて」音を出します。(ただし、あまり強く叩きすぎるとベルをいためるので注意!)「テーブルダンプ」という呼び方をするチームもあるようです(例:白金ベルハーモニーリンガーズ)
マットに叩きつけた後、そのまま止めるのを「マルテラート」、ベルを持ち上げ音をのばすのを「マルテラートリフト」といいます。
マルテラートは楽譜上「Martellato」「Mart」もしくは音符の上に「▼」をつけることで表記されます。それに矢印が付いて「▼↑」と表記されている場合は、マルテラートリフトを表します。(画像はマルテラートリフト)
マレット(Mallet)
ベルを持ち上げ、「マレット」と呼ばれる「ばち」で叩いて演奏する奏法です。比較的最近考案された奏法のようですが、ベルは外側からの衝撃にはあまり強くないので、やはり強く叩きすぎるのはよくありません。
楽譜では「mallet」や「mal」のほか、音符の上に「+」がつけられることで
表記されます。
音符の上に「・」が付いていて、その上に「+」が表記されている場合は、ベルをマットに置いたままで、鉄琴のごとくばちで叩きます。
「+」だけの場合は、ベルを持ち上げたまま、マレットで叩きます(サスペンデッド・マレットといいます)。
タワースイング(Tower Swing)
ハンドベルは教会の塔にあるタワーベルの練習用として生まれたものです。タワーベルが前後に大きく振れることによって、音に大きなうねりが生まれます。このタワーベルのうねりをハンドベルで表現したのが、この「タワースイング」です。ベルを鳴らした後、タワーベルよろしく前後にベルを振ります。特にローベルで行うと、音がとても大きくうねります。
楽譜には「SW」と表記されたり、「↑↓」の記号で表記されたりします。
ジャイロ(Gyro)
ベルをジャイロコプターのごとく、ぐるぐる回し、音をうねらす奏法です。見た目は面白いですが、あまりお目にかからない奏法です(私も今まで一度しかこの奏法を使う曲にお目にかかっていません)。
エコー(Echo)
マットにベルをつけたり離したりする事によって、音をうねらせる奏法です。「ホワンホワン」という、タワースイングやジャイロとはひと味違った幻想的なうねりになります。
シェリー(Shelley)・フォーインハンド(Four in hand)
人間には腕が2本しかないため、普通は2本のハンドベルを片手に1本ずつ持って演奏します。そして、3音以上の音を担当する場合(担当ベルが3本以上の場合)は、ベルを持ち替えることによって対応します。
しかし、担当する音が連続して出てきたり、人数が少なく1人で5音も6音も担当しなければならない場合は、どうしても片手に1本ずつだけでは間に合わないことがあります。そこで考え出されたのが、このシェリーとフォーインハンドという奏法です。
シェリーは2つのベルの向きを同じ方向にして組み、2音を同時に鳴らす奏法です。これに対し、フォーインハンドは2つのベルの向きを違う方向にして組むことにより、2つの音を別々に鳴らす事が出来ます。画像を見ると、その違いが分かります。
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